施設                            Facilities

建物概要

設計   大阪府建築部営繕室、株式会社昭和設計
監理   大阪府建築部営繕室、財団法人大阪府建設監理協会、株式会社昭和設計
建築工事   竹中・鴻池・淺沼・住友・東海共同企業体
電気設備工事   きんでん・近畿工業・キンコー共同企業体
機械設備工事   須賀工業・トーヨコ理研・ナミレイ・増田工業共同企業体
建設地   大阪府門真市大字三ツ島3-7-16
敷地面積   45,393.02㎡
建築面積   23,468.48㎡
廷床面積   35,906.93㎡
構造・規模   RC,S,一部SRC/B1,3F
最高高さ   GL+42.65m
外装   タイル打込炭素繊維強化セメント板、打放しコンクリート、ステンレス屋根

イメージコンセプト

 いにしえの時代に、この地は“河内湾”と呼ばれる入り江になっていました。
 時代とともに湾岸線が変遷し、この地は“潟”から”陸”へと変わり、大阪湾の形状も次第に現在のように整った楕円(卵型)になってきました。
 当施設は、このいにしえの河内湾の中にあって、新しい大阪のシンボルとして、大阪の夢づくりを柔らかく包む様な楕円形状(Oval)の”Ship”が、未来の大海に向かって、今、まさに飛び出そうとする姿をイメージしています。

〈大阪府立門真スポーツセンター(仮称)設計概要 平成6年1月 大阪府教育委員会発行より〉


モニュメント

 完成を記念し、当館を芸術性や文化性の香り高い施設とするため、モニュメント設置についての指名コンペを行いました。応募6作品の中からモニュメント設置検討委員会による審査の結果、次の2作品に決定し、財団法人日本宝くじ協会助成金により設置されました。
作品名 TSURU(つる)
作者 Sr.SEBASTIAN(セバスチャン)1947年生まれ
大きき等 高さ20m、幅8m、スチール製
コンセプト ドームに覆われた巨大アリーナの建築的言語と彫刻的言語との対話、形の持つ概念の一致を表現し、この静止した「TSURU」は、安らぎ、優雅さ、そしてスポーツが持つ独特の緊張感を伝えている。


作品名 和力(わりょく)
作者 清水九兵衛(きよみずきゅうべい)1922年生まれ
大きき等 高さ17.5m、幅26.5m、アルミ及びスチール製
コンセプト 古来、スタティックな中に色々な表現や道を探し出してきた日本人特有の感性を大事にし、力、そして和、言い換えれば、総合力、歓喜といったものを内に秘め、どこかに窺わせるフォルムなっている。


計画から竣工までの経緯

昭和63年9月 基本構想調査実施
平成元年7月 基本計画策定
2年2月 立地場所公表
10月 基本設計策定、建設用地取得
3年10月 実施設計着手、進入路用地買収
11月 埋蔵文化財及びボーリング調査実施
5年6月 杭工事着工
平成5年10月 建設工事着工
6年11月 鉄骨トラスのプッシュアップ工法実施
7年1月 愛称「東和薬品RACTABドーム」公表
6月 正式名称が「大阪府立門真スポーツセンター」に決定
10月 モニュメント公表
8年3月 竣工

工事の特色

パンタドーム構法(メインアリーナ)
 この構法は、法政大学教授川口 衞 博士によって考案された特許構法で、その仕組みは、構造体にヒンジを設置し、低い位置で構造体を組み立て、ジャッキ等によって最終形状までせり上げるものです。在来工法より安全性が高く、工期も短縮できるメリットがあります。
 パンタドームの名称は、そのメカニズムが電車のパンタグラフに類似していることに由来しています。 大阪府立門真スポーツセンター(東和薬品RACTABドーム)メインアリーナ大屋根のジャッキアップは、平成6年11月30日午前8時にはじまり、午後4時28分に完了しました。


〈平成6年11月30日 産経新聞夕刊記事〉